酒仙

夏本番。

いよいよ、である。

よく仕事がら、これだけ暑いとビールがうまいでしょと言われる。

なにを言ってるんだか。体調が良ければビールはいつ飲んだって旨いに決まってるんだ。

 

先日、長く付き合ってた生徒が一人、空手から距離を置くことを決めた。

生徒が何十人いようが、基本的には僕と会員さんは1対1だ。

何十分の1には決してなる事はない。

 

久しぶりにビールが旨くなかった。

愛無くして情も無い。

失恋に似た気分だ・・・。

 

一生、僕が望む様に空手と付き合ってくれる筈はないし覚悟もしているつもりなのだが、まだまだ修行が足りていない。

彼に送った言葉は即ち、自分への戒めだ・・。

 

花間一壺の酒

独り酌んで共に親しむものなし

盃挙げて影が対すれば三人となる

 

酒仙 李白  染みる。

 

酒の強さは空手の強さと良く言われる。

こういう思いをいくつも重ねてれば酒は強くなる。

ビールが苦くなるほど空手を愛していれば、空手も上手くなってる筈だ。

 

今日も全力で自分の空手と向き合おう。

 

醒める時はともに交歓し

酔うた後は各々分散す

永く結ぶ無情の游を

ともに期さん遥かな雲漢で